年間100万ドル超。従業員ゼロ。生活費は月10万円。

Marc Lou(マーク・ルー)のポートフォリオを眺めると、数字がただ並んでいる。ShipFastで月$17K。CodeFastで月$23K。DataFastで月$18K。TrustMRRで月$31K。合計すると年間$1M(約1億5,000万円)を超えた。

2025年の年間収益は$1,032,000。前年より20%落ちた。本人はそれを「平和だった」と表現した。

大学の研究室で、PSDファイルを開いてみた日——ではなく、タイ・ロペスにクビにされた日

なぜ安定を捨てたのか。

正確に言えば、ルーに「安定」は一度も来なかった。フランスで育ち、プログラミングを独学で学び、最初のスタートアップに挑戦した。脱出ゲームのマーケティングSaaS。直接営業をかけ、価格設定を試行錯誤し、解約と戦った。月$3Kを超えることすらできなかった。4年間、ずっとそのあたりを行ったり来たりしていた。

やがてTai Lopez(タイ・ロペス)——あの「ここはガレージ」でおなじみの自己啓発系インフルエンサー——の元で契約エンジニアとして働き始めた。ハッスル、ハイプ、バーンアウト。典型的なサイクルだった。実務的なWebスタックのスキルは磨かれたが、代償は大きかった。

そして、クビになった。

「タイ・ロペスにまでクビにされた」

ルーはIndie Hackersのプロフィールにそう書いている。自嘲的に、淡々と。あのタイ・ロペスに、だ。インターネット上で最も胡散臭いとされる男にさえ必要とされなかった。そう読めるし、おそらくルー自身もそう感じていた。

うつが来た。2年間、収益はゼロ。朝起きる理由を見つけるのが難しい日々が続いた。何を作っても、誰にも届かなかった。コードは書ける。でも、売れない。その絶望は、エンジニアにとって最も深い種類のものだった。

バリ島行きの片道切符を買ったのは、その後のことだった。手持ちは$10,000(一説では$20,000)。バックアッププランはなかった。片道切符だった。帰りのチケットは買わなかった。

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